福山市の福祉避難所に医療機器用蓄電池レムリアME3000

瀬戸内地域の先駆け 福山市の福祉避難所に医療機器用蓄電池導入
令和7年7月、広島県福山市にて、中国地方の自治体としては初となる医療機器用蓄電池の導入が実現しました。
医療機器を日常的に使用する医療的なケアが必要な方を災害時の停電のリスクから守る仕組みを構築していく見通しです。自然災害の激甚化に加え、南海トラフ地震の被害想定も発表された昨今、避難所の設備整備やインフラ強化など行政の災害対策はかつてないスピード感が求められる局面となっています。
中国山地と四国山地に囲まれた瀬戸内地域は地形的・気候的に非常に恵まれており、災害の比較的少ない地域とされていますが、危機管理強化の必要性は変わることはありません。しかし依然として、地域によって防災意識と取り組みに差が認められるのが現状です。その中で、蓄電池を利用して、医療的ケアの必要な方を支える試みが始まりました。
広島県福山市が、中国地方の自治体として初めて、市の施設へ医療機器用蓄電池を設置したのです。
日常的に医療機器を使用する方々にとって、電源の有無は生命に直結する重要な問題です。多くの場合は各家庭で停電対策の予備電源を用意しますが、一般に流通している防災用蓄電池、ポータブル発電機、EV自動車のいずれも、安全上の理由から医療機器への接続は認められていないのです。よって動作不良による事故はすべて自己責任とみなされます。なにより災害により緊急避難となった場合、予備電源まで持ち出す余裕があるとは限りません。
在宅で医療的ケアをされる方は年々増加傾向にあり、電源環境の不安を訴える声は全国的に高まっています。自治体にとって「医療機器のための」予備電源の整備は急務と言えます。
医療機器用リチウムイオン蓄電装置【LEMURIA(レムリア)ME3000】は、医療機器規格を取得しており、蓄電池として唯一、人工呼吸器などの生命維持装置への使用を公的に認められています。3,300Whの電池容量は人工呼吸器(100W)を30時間以上運転可能とし、酸素濃縮器や喀痰吸引機との同時使用にも対応できます。
市では、福祉避難所を開設した場合に、必要とする施設へ配備することとしており、可搬性を活かした臨機応変な運用を想定しています。
広島県の行政福祉を牽引する福山市では西日本最大級の大道芸イベント『ふくやま大道芸』が例年5月に開催されていますが、ボランティアの協力のもと、医療的ケア児の招待が毎年行われています。市民活動においてもケアの必要な方に寄り添い、見守り、必要な時には助け合うという環境は確実に培われています。

